大切にしている思い

豊かな自然となつかしい町なみの残る地に根を下ろし、ものづくりを続けている私たちは、長く愛着を感じていただけるような服や小物たちをお届けしながら、「生き方、暮らし方」を提案していきます。

根のある暮らし

この地に根を下ろし、それを幸せとして日々を送っていけば、何かが見えてくるはず。そうして根のある暮らしを紡ぎながら、私たちは石見銀山 大森町で、どのような暮らし方が心地良いのかを考え続けています。それは「あっちに行けば、」とほかに目を向けるよりも、足元の宝を見過ごすことのないように過ごしていけば、それが心の豊かさにつながると思うからです。人は暮らしをつくりますが、暮らしもまた人をつくります。だからこそ私たちは、まず自分たちが毎日を楽しみ、たくさんの仲間たちと知恵を寄せ合って、これからのあり方を考えていきます。そんな私たちの「ものやこと」が、やがて使う人々の暮らしに溶け込み、長く愛され、味わいを深めてくれると良いと思います。

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復古創新

群言堂の会社理念は「この地に関わる全ての人の幸せと誇りのために復古創新というモノサシで美しい循環を継続していきます」というものです。ここに出てくる「復古創新」と似ている言葉に「温故知新」がありますが、ここで「復古創新」を使っているのは「創新」が未来を創ることを示しているからで、過去に学ぶところは大事にしつつ、未来に向かって創造したいという思いからです。そしてまた、この言葉には、「革新の連続の結果が伝統であり、革新継続の心は伝統より重い」という気持ちも込められていて、挑戦を続ける姿勢を忘れないように、という意志の現れです。

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拾う、補う文化

生活文化として考えると、私たちの活動は「古いものや人が見過ごしがちなものを活用するための提案をする」ことだと思います。それは「新しいものが良いもの」という使い捨ての考え方ではなく、愛着が持てる良いものを見つけ、繕いながら活かしていくようなやり方です。例えば傷んでしまった古い服は、そのままでは着られないかもしれません。それを補修したり、仕立て直したり、染め直したりして、愛着を持って着続けていただけたらと思い、「お気に入り相談室」を立ち上げました。布や服づくりは、群言堂が創業以来ずっと続けてきた得意分野ですから私たちは、原材料や糸の段階からこだわって、ずっと愛される布や服を作っていこうとしています。

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日本のものづくり

日本で販売されている衣料品で国産の占める数量の割合は、1990年には50.1%ありました。それが2002年に10.4%、2012年に3.5%、2022年に1.5%と急激に減少し、それに伴って素材、織り、染め、縫製などの産地は、極めて厳しい状況にあります。もちろん輸入品がすぐれている面もありますが、私たちが感じているのは、きちんと手をかけて、ていねいに作られたものが消えていくことへの寂しさであり、服や布という、その風土なりに紡がれてきた暮らしの文化を失うことへの恐れです。国産にこだわれば例えば価格面などで不利になることもありますが、それを踏まえたうえで、私たちは努力を続け、少しでも長く、日本のものづくりの良さを次の世代につなげていく努力を続けたいと思っています。

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自然を身近に

自然を感じながら暮らすことも、私たちは大事にしています。大森町では家の前をいつもきれいな水が流れていて、夜になると満天の星が見えます。四季を楽しく感じられるような、草花や木々、鳥や虫の気配、風や川の音、景色などがあります。それは、なぜか心を落ち着かせてくれて、どこかで幸福感にもつながっていると思います。ですから私たちは、それらをできるだけ楽しむようにしていますし、そうした感覚がこれからの時代にはとても大事になるような気もしています。そして、私たちが感じていることを、もっと多くの方にも味わっていただきたくて、例えば素材や、生地の染め方や、加工の仕方などにこだわったものづくりを進めています。

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無邪く庵 むじゃくあん

その小さな空間は、石見銀山 大森町の群言堂本店のそばにあります。そこには電気も水道も通っていないのですが、だからこそ、今の時代にはなかなか味わえない居心地の良さがあります。きっかけは1990年代の初めごろ、地元の方だけでなく、多くの方が訪れてくださるようになり、お酒を飲んだり語り合う空間をということで、空き家を修復して作りました。今も、鍵は付いていませんので、いつでも、どなたでも、お入りいただけます。夜ともなれば、ほんの少しの光と、風に揺れる木の葉だったり、流れる水の音が、居る人を違う世界に連れて行ってくれるはず。こういう時間を楽しむのも、群言堂の思う暮らし方の一部です。機会があればぜひ、味わってみてください。

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