いつも身にまとっている綿の服。
その綿が、土の中から芽を出し、花を咲かせ、ふわふわの実になることを、私たちはどれくらい知っているでしょう。種をまき、育ちゆく姿をそっと見守りながら、季節の移ろいや小さな変化に心を向ける。そんな時間を重ねていく連載「やっぱり綿が好き」。
暮らしの中で触れてきた素材が、少しだけ近しい存在になりますように。
※2022年に公開した記事を、2026年に一部再編集して掲載しています。
例年曇りが多い山陰の大森町でも、
日照りが続いていたこの頃。
棉の畑では雑草が猛威を奮っています。そのことを畑の先輩スズキに相談してみると、思いもよらぬ答えが返ってきました。

「やっぱり綿が好き」フェアでお配りした茶棉の種は、無農薬で栽培されたもの。
群言堂本社の畑でも、農薬を使わず、ビニールマルチも敷かずに畝に籾殻のみをかぶせて棉を育ててきました。
しかし、梅雨の時期を迎えると、雑草が棉の芽を覆う勢いで生えてきてしまいました。刈っても刈っても勢いを増す雑草。 困り果てて畑の先輩スズキに相談してみたところ、「うちの畑にも欲しいくらいのいい雑草が生えてる!」と。
いい雑草…?
雑草にも良い悪いがあるなんて初耳です。

畑のほとんどを覆い尽くしているイネ科の細長い草は、根を張って畝の形や水分を保ってくれるそう。
根っこはそのままに上の葉だけを刈り取り、棉の根元に敷けばビニールマルチの代わりにも!微生物の棲家にもなり、土の栄養を循環させてくれるのだそうです。

ホトケノザやハコベが生えているのも、微生物が集まって土の状態がいい証拠なんだとか。「雑草」とひと括りにしてしまっている植物たちもそれぞれが個性を持っていて、目に見えない土の状態を教えてくれることに感激しました。
それからというもの、刈り取った草を捨てずに畝に敷くようになって棉もすくすくと育っています。
通勤路の空き地を見て草の種類を確かめてみたり、「道草」の楽しみも増えた嬉しいご報告でした。

