【スタッフの声】働くことは、私の暮らしを豊かにすること

暮らしに根ざした仕事がしたい」

医療の現場で働いていた田中林子さんは、そんな思いから転職を考えました。

次に選んだのは、群言堂の「暮らしを一緒に考える店舗スタッフ」という職種。

ここでの仕事は、商品をすすめることではありません。

お客様の話に耳を傾け、どんな暮らしを大切にしたいのかを一緒に考えること。

その人に合った心地よさや豊かさを、対話の中から見つけていく役割です。

対話を重ねる中で、田中さん自身も「豊かな暮らしとは何か」を考えるようになったといいます。

ここで働くことは、誰かの暮らしを豊かにするだけでなく、
自分の暮らしも見つめ直すことにつながっていく。

医療現場から群言堂へ。彼女がこの場所を選んだ理由と、その変化を聞きました。

ODAKYU湘南GATE店
暮らしを一緒に考える店舗スタッフ
田中林子さん


暮らしに根ざし、
お客様の暮らしを豊かにする仕事がしたい

前職では精神科病院で作業療法士として働いていた田中さん。まずは医療職というまったく異なる業種から転職したきっかけについて伺います。

「作業療法士の時は、患者さんとの物づくりや手作業などを通して、生活のリズムや心の調子を再獲得するための支援を行っていました。

その中で、手づくりのものへの愛着や、それぞれの暮らしに馴染むとこを手に入れる喜びが、患者さんの心の支えや自信につながる様子を見て、暮らしの豊かさを考えることと、人の心をケアすることはつながっているということに気づきました。

ただ、病院勤務の場合、患者さんお一人に関わる時間は限られます。病院での時間や空間の流れの中で、どのように暮らしに根ざした支援ができるのかと葛藤を抱えるようになりました。

自身の感じる暮らしの豊かさと病院でできる支援との間に隔たりを感じて、人の心の豊かさにつながる仕事は、もしかしたらこの仕事だけではないかもしれないと思うように。

じゃあどんな仕事なのかは不透明なままでしたが、作業療法士という仕事を一度辞めたんです。」


居心地のよさを感じる理由は、
作り手が見える誠実なモノの流れ

「私が10代の頃はすでにファストファッションが台頭していて、安く服を買って、トレンドが終わったらすぐ捨てて。

また新しい服を買うのが当たり前の文化になっていました。そんな中で私自身はそういう消費の仕方にどこか居心地の悪さを感じていたんです。

ある時、ファストファッションの物の流れを調べた時に、服が安く作られている背景には、外国で安い賃金で働いている人や廃棄された服を受け入れなければいけない土地があったりすることを知り、それが自分の居心地の悪さの正体だったことに気づいて。

物を買う人だけが幸せで、物を作る人がどんどん貧しくなってしまうような物の流れでいいのだろうか? そんな疑問を持つようになりました。

そして、本当に今からするとたまたまなんですが、ある求人サイトで群言堂の「暮らしを一緒に考える店舗スタッフ」の募集記事を目にしたんです。

その時は群言堂のことをまったく知らなかったのですが、アパレルというよりも生活に根ざしたライフスタイルブランドであること、生活観光事業を手がけていること、そして物を作る人の生活文化を大事にしていることを知ったんです。

群言堂のブランドサイトには『暮らしの布図鑑』という読みものがあって、どういう人が、どういう場所で、どんな過程でこの生地を作ったのか、丁寧に生産者さんの紹介をしていました。

目で見ただけでは分かりづらい洋服の価値や、その生産に関わる人たちの想いが伝わる文章に、物の流れの誠実さを感じました。

人にとっても、物にとっても居心地のよいものを扱う場所で働くことができたら素敵だなと思うようになりました。」

田中さんが特に気に入って着ている”やわらかデニム”の生地。経年変化で色落ちして、生地が体に馴染むようにやわらかくなる

その人に合った豊かさ、心地よさを、
一緒に考える仕事だと思った

群言堂の記事と出会ってから、応募を決めるまでに一度、西荻窪の店舗に行ったという田中さん。

古民家を改築して作ったお店は風通しがよく、たんに物を買う場所ではなく、ときに安心できたり、懐かしい気持ちになったりするような居心地のよい場所、そんな第一印象だったと言います。

「お店に行ったら何か1着買おうと決めていたのですが、初めてのお店で何から見たらいいかわからず、とりあえず気になるものを覗くように、ウロウロしている感じだったんです。

そうしたら、当時お店で働いていたスタッフの方が接客してくれて、『どういった服が気持ちよく着られますか?』という言葉をかけてくれたんです。

その言葉がすごく新鮮でうれしくて。私個人の感覚に寄り添ってくれるような接客をされたことがあまりなかったし、接客されること自体にも苦手意識があったんです。

でもこの時に感じたのは、お客様と店員の会話というより、どこか日常会話のような、人と人として話ができるような柔らかな空気感でした。

接客というより、対話。売るというより、寄り添う。群言堂の仕事は、お客様とともに、暮らしの豊かさを考えることができる仕事だなと感じたんです。

暮らしに根ざした仕事がしたいという自分の思いが、ここなら実現できるかもしれない。そう思い、応募を決めました。」

西荻窪店で初めて購入した”もんぺパンツ”。カジュアルなデニムと、もんぺの昔馴染みのかわいらしいデザインのかけ合わせが気に入っているそう。ウエスト部分はゴムと紐で調節がしやすく、軽い綿素材なので一年中履ける

お客様の話に耳を傾け、どんな暮らしを大切にしたいかを一緒に考える

異業種からの転職で、販売やアパレルの経験がなかった田中さん、働きはじめてから戸惑うことも多かったのではないでしょうか?

「販売業ははじめてだったので、日々やったことのないことの連続で、ずっと戸惑っている感じでした。でも、その中で、今までの仕事と通じる部分もあったんです。

これは群言堂ならではだと思うのですが、洋服を買いに来るだけではなく、スタッフとのおしゃべりを楽しみに来られるとか、散歩のついでに休憩しに来られるお客様が結構いらっしゃって。お店が、地域の方のひとつの居場所にもなっているんです。

私も最初はどういうふうに振舞ったらいいのか悩んでいて、仕事だからキリッとしていた方がいいのかなとか思っていましたが、お客様との会話を楽しもうと切り替えました。

そうすると、お客様との何気ない日常会話の中に、暮らしの中で大切にしてる価値観が見えてくるんです。

そこを手がかりに、その方はどんなものを手に取ると心地よいのか、どんな服を着ると明るい気持ちになれるのか、対話を通して考えて、お客様と共有したり、時にはこちらからご提案をするようにもなりました。

そんな風に対話を重ねていくことは、実は、私が病院で患者さんとお話する時に大事にしていた部分だったんです。

対話の中で、その方にとっての大切な価値観に耳をすませ、より心地よい選択ができるようお手伝いをする。そういう感覚は、これまでの仕事とも通じていて、私にとっての仕事における指針のひとつと感じています。」


世代を越えてお客様と感覚を共有し合える

「お客様から、年齢変化とともに今まで着ていた服が肌に合わなくなってきたという話を聞くことが時々あります。ご自身の体の変化に戸惑い、体質や体型に合うような服を見つけられずにいる。

体の変化についてはまだあまり実感はないのですが、私自身、かなりの敏感肌で。服の繊維でかぶれてしまうことも多く、選ぶことに苦労してきました。

初めて群言堂の服に手を通した時は、肌触りのやさしさと生地の軽やかさに驚きました。お客様には、そんな自身の体感をお伝えして、世代を超えて肌感覚の心地よさを共有できるよう心がけています。

後日、お買いものをされたお客様から、服を着て、とても気持ちよかった。またこのお店で買いたいといった言葉をかけていただけるとうれしくて。その方の暮らしの一部に関われたような気がして、やりがいを感じます。

群言堂の服はデザインが凝っていたり、個性的な柄模様であったり、刺し子などの伝統的な技法を取り入れたりして、見た目の豊かさもあるんですが、見えない部分での豊かさもある。

群言堂のお客様は、自分が着なくなったら娘にこの服をあげるという方が多いんです。服を通して人と人がつながっていくところも、群言堂の服がもつ豊かさ。物としてもきちんと残っていくし、人の大切な記憶としても受け継がれていく。その過程に自分が少しでも関われるのだとしたら、私にとっても豊かな経験になります。」

群言堂の服は見えない部分での豊かさもある

働くことは、私の暮らしを豊かにすること

「この仕事はお客様から受け取ることが多い」という田中さん。自分の暮らしを大事にされているお客様が多く、それが田中さん自身の暮らしにも大きく影響していると言います。

「群言堂の商品をご愛用してくださっているお客様には、糸や染物に詳しい方も多く、お買い物だけでなく、日常の手仕事をとても大切にされていることが伝わってきます。お話を重ねる中で、日本の繊維業の歴史の長さや、きめ細やかさに触れることもありました。

私はもともと生地や洋服に強い関心があったわけではなく、裁縫も小学校の家庭科で習ったきり。そんな私にも、衣食住の一部として、日々身にまとうものも大切にしたいという意識が少しずつ芽生え、休日に野菜染めにチャレンジしたり、人に教わりながら、野良着のような服を縫ったりするようになったんです。

質のよい物を買うという豊かさだけじゃなく、自分でつくるという豊かさもある。そんな視点をお客様から教えてもらいました。

豊かな暮らしって何だろうと、日々考えるきっかけをいただいています。そこで得た視点や気づきを、自分の中だけで終わらせたくない。お店での出会いを通して、お客様にお返ししていきたいと思っています。」

玉ねぎで染めた布と、作りかけの野良着のパンツ

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■募集職種
暮らしを一緒に考える店舗スタッフ

■職種説明
この仕事は、お客様の話に耳を傾け、暮らしの背景や価値観を理解しながら、その人に合った心地よさを一緒に見つけていく役割です。

「何を売るか」ではなく、
「どんな暮らしを大切にしたいか」を一緒に考える仕事です。