2026年は、私たち 石見銀山 群言堂 が大切にしている理念〈復古創新(ふっこそうしん)〉をテーマに、身の回りにあるさまざまな素材で表現していきます。
漁業で使用される網は、親から子へ、先輩漁師から後輩へと受け継がれ、繕いながら大切に使われてきました。
今回使用した網は、大田市仁摩町で実際に使用されていたものです。荒波に晒される過酷な環境下では網が傷みやすく、石の混入や浅瀬の岩場への接触によって破れることがあります。そのため、約3〜5年にわたり、破損の都度補修を行いながら使い続けられます。小さな穴は縫い合わせ、大きな破れには別の網を継ぎ足して補修します。網目の大きさや張り具合を見極めながら、ひとつひとつ正確に繕う作業には、豊かな経験と技術が必要です。
網の補修には、糸と「網針(あばり・あぐり)」と呼ばれるシャトル状の道具が使用されます。現在はプラスチック製が主流ですが、かつては竹を削って手作りされていました。道具づくりから始まる職人の技と仕事への思いもまた、代々受け継がれてきたものです。
実際の網には、波や岩との摩擦によって擦り切れた紐、結び直された無数の結び目、海水や日光に晒されて変色した独特の風合いが見られます。これらはすべて、漁の現場で使用されていたことによる経年変化の痕跡です。
こうした手仕事によって繕われ、受け継がれてきた漁師網を「復古創新」を体現する素材として使用し、新たな造形へと展開しました。生まれ変わった漁師網の姿を、ぜひご覧ください。
<素材>
・漁師網 ・あばり ・残布 ・砂 ・紐

石見銀山 群言堂
本店ディスプレイとは
島根県大田市を中心に活動するデコレーター山内真澄美氏が、石見銀山 群言堂 本店・玄関スペースに制作する四季折々のアートディスプレイです。
石見銀山の草花や自然素材、捨てられゆくものを活かし「根のある暮らし」や「復古創新」など、群言堂の世界観を表現しています。
2026年の制作テーマは、私たち 石見銀山 群言堂 が大切にしている理念〈復古創新(ふっこそうしん)〉です。
※復古創新とは、過去から本質を学び、現代の価値観に合わせて新しい世界観を創造するという 私たちの考え方です。


