この町の日常の一コマを切り取り、「インスタグラム」に投稿するようになって、もう1年半ほどになります。古希のお祝いに人生初のスマートフォンを社員さんたちから贈られたのが、ひとつのきっかけでした。
若い頃から手紙を書くのも写真を撮るのも好きで、日常の一部となっていましたから、それがアナログからデジタルに移っただけといえるかもしれません。
インスタを始めて改めて気づいたのは、この町の豊かさです。私の日常は、自宅と本社オフィス、他郷阿部家、本店という、わずか半径数10メートルの範囲内にあります。
それなのに、四季折々に姿を変える自然や町並み、身近な人々の愛すべき生態など、心躍る発見が1日たりとも途切れることがありません。
何かいいことがあると人に言いたくてたまらなくなる性分ですから、つい1日に3つも4つも投稿してしまうことも。日々心をよぎるあれこれを飾らずそのまま綴っているので、社員さんやふだんお世話になっている方々から、「こないだの投稿、面白かったですね」「あれ大笑いしました」など声をかけてもらえることも増えました。
現場の仕事を若い世代に任せられるようになったという立場の変化もあるからでしょうか、70歳を過ぎたあたりから、自分自身がより自由に解き放たれ、楽しくなってきた実感があります。
最近では「火曜の会」なるものも始めました。これは毎週火曜日にわが家で開く少人数の夕食会のこと。時には私たち世代が知らないことを若い人たちから教えてもらうことも多々あり、頭をやわらかく保つのに格好の場となっています。
そんな日のお料理を考える時は、スマホでレシピサイトを覗くことも。つくり慣れた料理ばかりでなく、やってみたことのない取り合わせや調理法にチャレンジしてみるのは頭の体操になりますし、それが好評だったりすると「次は何をつくろうか」という意欲がさらに湧いてくるものです。
いくつになっても好奇心を失わずに、頭にも心にも新しい風を入れて過ごしたい。そう願う私にとって、時にはデジタルも心強い味方。この古い茅葺屋根の下で、広い世界とつながっている。そう思うとわくわくしてくるのです。
石見銀山生活文化研究所 相談役
暮らす宿 他郷阿部家 竈婆
松場登美
登美さんの日常、インスタグラムで覗いてみませんか
登美さんからの手紙 読みもの一覧
-
幾つになっても ワクワクしながら 生きるということ。| 登美さんからの手紙
-
空を眺めて「無常」を愛でる豊かな時間。| 登美さんからの手紙
-
何もないからすべてがある。五感をひらく山陰暮らし。| 登美さんからの手紙
-
時の贈り物を味わうように。錆び朽ち果ててなお美しく| 登美さんからの手紙
-
素足で知る、素足で味わう、ほんとうの豊かさのこと | 登美さんからの手紙
-
遊びせんとや生まれけむ。紡ぎ、織り、繕う、私の暮らし。 | 登美さんからの手紙
-
土を耕し、種を蒔くように。受け継がれていく「心想事成」。|登美さんからの手紙
-
あるがまま、前を向いて。おしゃれと人生は続きます。|登美さんからの手紙
-
仲良し同士寄り添って 福は続くよどこまでも|登美さんからの手紙
-
お金では買えない福と富。分け合いましょう。この福富家で。|登美さんからの手紙
-
それぞれに選んだ道 それは同じ川の流れの中に。|登美さんからの手紙
-
心をやわらかく耕すように暮らしにも新しい風を。|登美さんからの手紙

