2026年は、私たち 石見銀山 群言堂 が大切にしている理念〈復古創新(ふっこそうしん)〉をテーマに、身の回りにあるさまざまな素材で表現していきます。
山の中に足を踏み入れたとき、蔓(かずら)がまるで椅子の形を成しているように見えました。 人が自然の中で蔓を用いて椅子を作ったのか、あるいは蔓が成長する過程で自然と椅子の形を成したのか――想像が大きく膨らみます。
仏教用語に「自然(じねん)」という言葉があります。自ら然(しか)る、つまり人間の計らいや思惑が介入しない「ありのままの状態」を指します。 この蔓もまた、自らの伸びたい方向へと変化・成長を重ねた結果、自然と椅子の姿にたどり着いたのかもしれません。上に伸び、下に伸び、周囲の木に絡みつき乗っ取っていくような、しなやかで力強い生命力が感じられます。
一方で、中心に据えた“家具としての椅子”は、人間が編み上げたものです。 この椅子を編み上げているのは人間の手仕事です。自然が持つ原始的な力強さを活かすのも、復古創新を実現させることも人間の手と知恵によるものです。手で触れることで蔓のしなやかさと伸びたい方向を感じ、ひとつのものに仕上げていく。これも私たち人間が自然界の一員として果たせる役割のように感じました。
椅子になろうとする蔓の「自然(じねん)」の意思と、椅子を編み上げる先人たちの知恵と技。これらを融合させた新たな表現の形を、ぜひご高覧ください。
<素材>
・葛 ・藤 ・テイカカズラ ・金属板

石見銀山 群言堂
本店ディスプレイとは
島根県大田市を中心に活動するデコレーター山内真澄美氏が、石見銀山 群言堂 本店・玄関スペースに制作する四季折々のアートディスプレイです。
石見銀山の草花や自然素材、捨てられゆくものを活かし「根のある暮らし」や「復古創新」など、群言堂の世界観を表現しています。
2026年の制作テーマは、私たち 石見銀山 群言堂 が大切にしている理念〈復古創新(ふっこそうしん)〉です。
※復古創新とは、過去から本質を学び、現代の価値観に合わせて新しい世界観を創造するという 私たちの考え方です。


